麒
麟山酒造(株)
新潟県東蒲原郡津川町大字津川字本陣場46
TEL:02549-2-3511
レポート2004.5.3 |
【蔵元概
要】
新潟県と福島県の県境に位置する津川町は深い山と「阿賀野川」とその支流である「常浪川」の豊かな自然に恵まれた小さな町です。麒麟山酒造は「麒麟山」の麓を流れる「常浪川」をはさんで目の前にあります。新潟県の中では準大手の蔵元で、従業員も50名。地元の方々との交流を大切にし、手作りに拘った酒造りを行っています。
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【こだわ
り】
麒麟山酒造は酒蔵と瓶詰め工場の2棟あり、瓶詰め工場は新しく建てられて近代的な建物です。今日は後藤杜氏が酒蔵の中を案内してくれます。酒蔵は古い部分と新しい部分が混在しているのですが、作業効率の良いレイアウトになっていて、蔵の中も明るく衛生的です。蔵の中に入って先ず目に飛び込んできたのは「目標 銘酒造りは先ず人の和からはじめよう」と書かれた大きな額です。酒造りには12程度の工程があり、美味しいお酒を造るにはどの肯定が悪くてもいけないわけで、そこで大切になってくるのは「チームの和」であるチームワーク。良いチームワークから良いお酒が生まれると、あえてそれを「目標」として掲げて酒造りを行っているそうです。
年間7000石も生産している麒麟山酒造ですが、「伝辛」などの普通酒では4トン仕込み程度に抑えています。大きな造りになると、どうしても酒にバラつきが生まれてしまうと言う事から4トンに抑えているとのことで、それによって仕込み期間は長く、夏場を除いた9月から5月まで仕込みは行われています。今年の造りは更に2トンづつの仕込みに抑え、更に品質の向上を図っています。
津川は大自然に囲まれ、冬には雪も結構降ることから地下水は軟水になります。昔から酒造りで有名な灘は「宮水」という硬水で酒造りが行われてきました。硬水で酒を仕込むと醪の醗酵は旺盛になり、雑菌も繁殖しにくくなります。反対に軟水で酒を仕込むと醗酵もゆっくりで時間がかかり、雑菌の繁殖が心配されます。しかしながら新潟は雪国で気温が低く、酒の管理には適していて、更に技術が良くなっているため雑味の少ない淡麗なお酒を造る事が出来るのです。そして麒麟山酒造が目指すお酒は「淡麗辛口」。
麒麟山酒造のこだわりの一つに「クリーンルーム」があります。クリーンルームを採用している蔵元は県内でも麒麟山だけ、全国でもほんの数えるほどだそう。生酒の瓶詰めの際清潔なクリーンルームで行い、1日目は瓶詰め機材の洗浄、2日目に瓶詰め、そして3日目にまた洗浄と1回の詰め作業に3日間を費やしています。本来本生のお酒はとてもデリケートなので、要冷蔵で取り扱うのは当たり前なのですが、そこまで管理されたクリーンルームで詰められた生酒は30℃の保温機の中で1ヶ月間保存しても酒質は変わらないと蔵元さんは自信たっぷりで語るほどです。
大きな仕込でもこだわる部分はこだわって、良い酒造りが行われていました。
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【狐の嫁入り行列】
昔、麒麟山には狐がいて、毎晩のように狐の声が聞こえ狐火が見られました。津川の狐火は世界一で、麒麟山にまつわる狐や狐火の話しは数多くあります。昔、嫁入りは夜にかけて行われ、あたりは暗く、提灯を下げて行列しました。この提灯の明かりと狐火が平行して見え狐の嫁入り行列が生まれたとも言われています。その年に結婚を控えたカップルが、狐の花嫁・花婿に扮装し、花婿の待つ祝言会場まで花嫁が興入れの行列を従えて町の中を練り歩くというもので、クライマックスは無事祝言を終えた夫婦狐が霧の中を渡し舟で麒麟山に帰って行くというとてもドラマティックなお祭りです。
麒麟山酒造さんの新工場が丁度メイン会場の目の前と言う事で、「つがわ嫁入り行列の夕べ」と銘打って県内の小売店を中心に蔵を開放し、地元の山菜を中心としたおもてなし料理と美味しいお酒を頂きながら、イベントを観覧する事が出来ました。社長さん自らお客様全員にお酌をして回り、なんだかちょっと恐縮してしまいます(^^ゞ。用意されたお料理は山菜御飯、お漬物、山菜の天ぷら、バーベキュー、切干大根、山菜汁など。全て社員の手作り料理で、その場で出来たてを楽しむ事ができます。テーブルに用意して会ったお酒は「子狐の舞」。香り穏やかで口当たりはまろやか、キレのある余韻が楽しめます。子狐が跳ねているような感じの味わいで、ふきのとうの天ぷらとよく合います。そして試飲用として用意してあった「常浪」は淡いバニラのような香りで、まろやかでビロードのような舌触り、スッキリした後味の特別本醸造です。そしてそして「深緑のきりんざん」という日本酒のカクテル♪グラスに適量の氷を入れ、「伝辛」と果汁100%オレンジジュースを1対1に少量のガムシロップを入れ、シェイクしてグラスに注ぎ、最後にブルーキュラソーを静かに少量入れるという今の季節の麒麟山と常浪川をイメージしたオリジナルカクテルです。スッキリした甘味をブルーキュラソーのビターオレンジの渋味で甘味を引き締めています。とってもすっきりしていて飲み易く、色が本当に綺麗です。手作り料理と美味しいお酒で心尽くしのおもてなしを受け、大満足v(=∩_∩=)。おなかが満たされた頃、丁度「狐の嫁入り行列」が始まると言う絶妙なタイミングもまたうれしい限り。メイン会場への入り口の坂道は行列以外は通行人さえも通行止めになります。そこを上から眺めるように麒麟山酒造があるため、行列を見るにはまさにベストスポット!花嫁が花婿と橋のたもとで出逢い、4万人の祝福を受けながらお嫁さん御一行様は行列していきます。花嫁さんは白無垢姿に狐メイク。手は狐のように軽く握り、手首を曲げて・・・招き猫見たいなのポーズです。「おめでとう」と祝福の声を掛けると恥らいながらも会釈する美しい花嫁。とても素敵な夫婦狐でした。そしてメイン会場で祝言が行われ、晴れて結ばれた夫婦狐は船に乗って麒麟山の山の中へ帰って行きます。川面に映る篝火とゆっくり進む船、BGMに喜多郎の曲がかかり、幻想的な世界が広がります。山には狐火が燈り、狐の鳴き声が響き渡りました。本当にロマンティックで幻想的♪良い体験をさせて頂きました。どうもありがとうございました。
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麒麟山酒造株式会社
杜氏:後藤武男氏 |
【杜氏】
麒麟山酒造では杜氏を通年雇用の杜氏さんです。現在の杜氏は後藤杜氏。地元津川の杜氏さんです。話がとても上手く、酒造りを例え話を交えて分かり易く説明してくれます。私の質問にももちろん快く答えてくれます。そんなところからも酒造りに対する情熱が伝わってきます。
更に「奥阿賀酒米研究会」という地元酒米生産農家とともに酒米の栽培を通して良質な米づくりへの技術的追求を行っている会の酒米栽培責任者でもあります。酒造りに適した酒米を自分の手で作り、酒造りの総指揮者として果敢に酒造りに挑んでいます。
「絶対に『うまい』と言わせたい」という情熱溢れる後藤杜氏でした。どうもありがとうございました。
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【まとめ】
大きな造りとこだわりの調和の取れている蔵元麒麟山酒造。人の和、地域とのつながりを大切にし、大自然の中で美味しいお酒が造られていました。蔵の皆さん、どうもありがとうございました。
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【主なお
酒】
・麒麟山 伝辛 ・麒麟山 吟醸 辛口 ・麒麟山 生酒 辛口 ・常浪
・麒麟山 純米吟醸 辛口・麒麟山 大吟醸 辛口 ・麒麟山 紅葉 (もみじ) 吟醸
・ぽたりぽたり きりんざん 純米吟醸 原酒生 ・麒麟山 kagayaki daiginjo 生原酒
写真提供:麒麟山酒造(株)
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